EVENT REPORT

イベントレポート

第5回京都アニメーションファン感謝イベント KYOANI MUSIC FESTIVAL ―感動を未来へ―
イベントレポート<DAY1>

「京都アニメーションファン感謝イベント」としては2年ぶりの開催、そして京アニ主催の初・ライブイベントということもあり、会場は開演前から熱気に包まれていました。

開演時間を迎えたステージには、京都アニメーション初のオリジナル作品『ムント』シリーズで主役・日高ユメミを演じた相沢舞さんが登場。劇場版ED主題歌「ユメミタソラ」を相沢さんが透き通る歌声であたたかに歌い上げ、客席から拍手が沸き起こります。
相沢さんが、ユメミの声で「ムント!」と呼びかけると、スクリーンにはムント役の小野大輔さんが! このイベントのためにメッセージムービーを寄せてくださいました。「京都アニメーションの作品からはいつもポジティブなパワーをもらっている」という小野さん。「ユメミ、俺と一緒に来い!」「やなこった!」というムントとユメミの定番のやり取りののち、「京都アニメーションミュージックフェスティバル、開幕!」というユメミとムントの“開会宣言”で京アニフェスは幕を上げました。

『たまこまーけっと』シリーズからは北白川たまこ役も務める洲崎綾さんがOP主題歌「ドラマチックマーケットライド」とED主題歌「ねぐせ」の2曲を続けて披露。8年ぶりの歌唱という洲崎さんは「当時と変わらず緊張した」とのことですが、「あたたかくペンライトを振ってくださって、本当にきらきら素敵な景色でした。ありがとうございます」と笑顔を浮かべて感謝の気持ちを伝えていました。作品から「日常の大切さだったり、変化を恐れずに未来に一歩踏み出すことの大切さ」を感じたという洲崎さんは、『たまこラブストーリー』の映像をバックに、主題歌「プリンシプル」を晴れやかな表情で歌い上げました。

次の『無彩限のファントム・ワールド』ステージで会場の雰囲気は一変。SCREEN modeの「Naked Dive」(OP主題歌)では、ボーカル・勇-YOU-さんの力強い歌声と雅友さんの激しいギターサウンド、そして同作で音楽を担当したEFFYさんがキーボードとして特別参加したスペシャルバンドの演奏が会場のボルテージを上げていきます。

歌唱後のトークタイムで、「なんといっても登場人物にかわいい子が多い!」と『ファントム』の魅力を熱弁する勇-YOU-さん。観客を前にしてのステージは久しぶりということで、楽しげに京都の思い出話を繰り広げていました。

そして、同じく『ファントム』からはルル役として出演もしている田所あずささんがED主題歌「純真Always」を元気いっぱいにパフォーマンス。それに触発されるように客席のペンライトもその力強さを増していきます。観客の皆さんが振るペンライトに力をもらったという田所さんは、このイベントのためだけに編集されたルルがメインの映像に「めちゃくちゃかわいくて」と笑顔に。『ファントム』だけでなく『響け!ユーフォニアム』シリーズなどにも出演している田所さん。今回のフェスへの出演も「何か恩返しになれば」と、作品を背負ってのパフォーマンスに感無量といった様子でした。

続いての『ツルネ ―風舞高校弓道部―』ステージでは、「あなたの心に刺さって抜けない歌を歌いにやってまいりました!」という熱いメッセージとともにラックライフがOP主題歌「Naru」を披露。情熱あふれるパフォーマンスに、観客も作品のイメージカラーである緑色のペンライトを力強く振って応えます。ラックライフの一人一人に届けようとする音楽と一本まっすぐに狙いをすます弓道の親和性に触れ、「すごくすごく大切な曲」と、ボーカルで作詞・作曲をしたPONさん。コロナ禍の中、観客を前に演奏できることへの喜びがほとばしったステージとなりました。

そして、同作のED主題歌「オレンジ色」をChouChoさんが歌唱。曲名にあわせて制作された夕焼けシーンを集めた映像、オレンジ色のペンライト、そしてChouChoさんの伸びやかな歌声に、会場は温かな雰囲気に包まれます。高校時代に弓道部に所属しており、『ツルネ』のオファーがあったときは「運命的なものを感じた」というChouChoさん。弓道が持つ凛とした空気感に触れ、アニメを見て弓道をしていたときのことを思い出したと明かしました。

会場がやさしい空気に包まれたまま、続いては『リズと青い鳥』ステージへ。京都出身で京都のライブハウスでも活動中のHomecomingsが主題歌「Songbirds」を披露。軽やかなバンドサウンド、まるで観客に語り掛けるようなボーカル・畳野彩加さんの歌声と美しく繊細なコーラスが会場を満たしていきます。
ギター担当で同曲を作詞した福富優樹さんは、オファーが来たときは驚いたそうで、「熱意に応えられるような楽曲を作ろう」と、登場人物の感情の動きが物語になる、ということを意識して楽曲制作にあたったことを感慨深く語りました。

あたたかな拍手でHomecomingsがステージを後にすると、スクリーンには「Special Stage」の文字が登場! 会場が驚きと期待に包まれる中、TRUEさんがステージに登場し、『けいおん!』シリーズの人気曲「Don't say "lazy"」のイントロが流れた瞬間、会場からはどよめきが! TRUEさんのパワフルな歌声に観客のテンションも上がっていきます。そして同じく『けいおん!』シリーズからは「ふわふわ時間」を田所さんがキュートにカバー! 同作でも屈指の人気曲でロックナンバーの2曲にホールが揺れるような拍手が沸き起こりました。

サプライズはまだあります。『氷菓』のOP主題歌「優しさの理由」をChouChoさんが歌唱。ChouChoさんの歌声に会場は感動に包まれ、事前に告知されていなかった作品からのパフォーマンスに客席からは割れんばかりの拍手が送られます。
その後のTRUEさん、田所さん、ChouChoさん3人揃ってのトークでは、田所さんが「重圧がすごくって」と人気曲のカバーを披露することの気持ちを明かしつつ、ファンの皆さんが温かく迎えていただいて「楽しく歌わせていただきました!」と感謝を述べました。スクリーンに『けいおん!』のアニメーション映像を投映してのパフォーマンスに「感慨深いものがありました」とTRUEさん。そして、ChouChoさんは放送から9年たった今も「心の中に輝いている作品」の主題歌を歌えて「とっても嬉しかった」と話していました。

3人が降壇後、10分間の換気休憩を経て、後半戦がスタート! 『Free!』シリーズに登場するマスコットキャラクターのイワトビちゃん、サメヅカちゃん、そしてスペシャルゲストの主人公・七瀬遙役の島﨑信長さんが登場しました。さらに、松岡凛役の宮野真守さんからメッセージムービーが到着! 企画から9年間という長期にわたって、キャラクターたちの成長を間近で見守ってきて「親心のようなもの」を抱いているという宮野さん。公開中の映画『劇場版 Free!-the Final Stroke-』前編でキャラクターたちがぶつかっている困難に触れつつ、「遙に対して凛はどう共鳴しあっていくのか」と、後編への期待を語りました。そして、島﨑さんと宮野さんの「Take your maks, ready go!」の掛け声で『Free!』ステージがスタート。

同作の音楽を担当する加藤達也さんがスペシャルバンドを率いて、『Free!』や『映画 ハイ☆スピード!』のさわやかで柔らかい楽曲から最新作『Free!FS』前編の激しく力強い楽曲まで、延べ400曲のなかから選りすぐりの劇伴をスペシャルメドレーで披露しました。プールのレーンを思わせるような8本のライトと客席の青いペンライトの光に満たされた会場は、まるで水の中にいるような幻想的な空間に……。曲の合間には、この日のために書き下ろされた七瀬遙のセリフを島﨑さんが演じ、シリーズの軌跡が詰まったひと時となりました。

演奏後の島﨑さんと加藤さんのトークでは、「長い付き合いですね」と二人ともしみじみ。遙たちの変化にともなう曲調の変化に触れ、「『Free!FS』に対してはその思いが強く出ている」という加藤さん。後編の劇伴制作に入ろうとしていて「今一番悩んでいる時期」ということでしたが、「みなさんの拍手をたくさんいただいて。なんかものすごくやれるような気がしてきました!」と力強い一言が。作品の歴史、そして2022年4月公開の『Free!FS』後編の期待が高まったステージでした。

加藤さんが降壇すると、イワトビちゃん、サメヅカちゃんに加えてマスコットキャラクターの“先輩”である、『響け!ユーフォニアム』のチューバくんも登壇し、3匹のフォトセッションコーナーがスタートします。『Free!』シリーズの舞台挨拶等ではお馴染みのフォトセッションですが、無言でポーズをきめるイワトビちゃんたちと会場に響き渡る無数のシャッター音……というシュールな時間に客席からは思わず笑いが。普段見ることのできないコラボに、SNSでは「#京アニフェス」がさらに盛り上がりを見せます。

DAY1のラストを飾るのは『響け!ユーフォニアム』シリーズ。同作で吹奏楽部顧問の滝昇を演じる櫻井孝宏さんからメッセージムービーが届きました。滝昇が「今までの声優人生でも大きな存在」になっているという櫻井さん。「皆さんの前で何か表現できる場があったらいいな」と作品のこれからの展開に期待を寄せました。

出演者皆でひとつの作品を作り上げてきたという『ユーフォ』。櫻井さんの「行きましょう、全国へ」というセリフでステージがスタートします。黒沢ともよさん、朝井彩加さん、豊田萌絵さん、安済知佳さんからなる北宇治カルテットはTVシリーズのED主題歌「トゥッティ!」と「ヴィヴァーチェ!」を続けてパフォーマンス。このイベントに合わせて新調した衣装で可憐に歌って踊ります。もちろん、チューバくんも一緒にステージを盛り上げました。

歌唱後、作品イベントで共演経験のある北宇治カルテットとチューバくんは息の合ったトーク?を繰り広げます。チューバくんへの「親バカ」が飛び出したり、楽屋での裏話を披露したり、「楽しいね~」とテンションが高い北宇治カルテットでした。そして元気いっぱいな「TRUEさ~~~~~ん!」という呼び込みでTRUEさんが登場。カルテットはこぶしを突き合わせる“こつんリレー”でTRUEさんに気持ちを託し、ステージを後にします。
北宇治カルテットから託されたTRUEさんは劇場版主題歌「Blast!」とTVシリーズ2期OP主題歌「サウンドスケープ」を歌唱。「ここにいる誰よりも私自身が楽しもう」とステージに立っていたというTRUEさんは、このイベントが観客の皆さんの未来に残っていくこと、「生きているといろんなことがあるけれど、頑張れそうな気がした」と語り、「同じような思いを持って帰ってほしい」と、満席の会場を見渡しながら気持ちを伝えます。
本編最後の1曲は、シリーズ第1作目のOP主題歌「DREAM SOLISTER」。「響け!」の歌詞に合わせて客席のペンライトも力強く揺れ、TRUEさんの歌声もどんどんその力強さを増していきます。大興奮の客席からは割れんばかりの拍手が送られ、「終わらない音楽は 続いてゆく」という歌詞のように、感動が未来へとつながっていくステージとなりました。

まだまだ「京アニフェス」は終わりません。興奮冷めやらぬ客席からのアンコールにこたえて、DAY1の出演者が全員集合し、『バジャのスタジオ』シリーズの「てとてとて」を合唱。
なかなか見ることができないコラボレーションに、出演者も思わず笑顔があふれます。

盛大な拍手に見送られて出演者がステージを後にすると、スクリーンにはエンディング映像が映しだされます。本日パフォーマンスされた楽曲が電子音でリミックスされたメドレーに会場からは自然と手拍子が!
大興奮のまま、京アニフェスDAY1は幕を下ろします。

→DAY2レポートはこちら

●DAY1セットリスト

相沢 舞 ユメミタソラ
洲崎 綾 ドラマチックマーケットライド
ねぐせ
プリンシプル
SCREEN mode Naked Dive
田所あずさ 純真Always
ラックライフ Naru
ChouCho オレンジ色
Homecomings Songbirds
スペシャルステージ
TRUE Don't say "lazy"
田所あずさ ふわふわ時間
ChouCho 優しさの理由
加藤達也 From EVER BLUE
Rhythm of new sensation
Departure for the future
Pure blue starting〜Starting days
Starting to the future
Relate to you
Into the new world
Never seen landscapes
Don't matter anymore
We could be free
北宇治カルテット トゥッティ!
ヴィヴァーチェ!
TRUE Blast!
サウンドスケープ
DREAM SOLISTER
アンコール
DAY1出演アーティスト てとてとて